“稼ぐオフィス”は、
機能と対話から「売れる企画」を出し続ける、
“稼がないオフィス”は、
機能の不全から無駄な家賃を出し続ける
「ねえテラサキさん、オフィスの場づくりが大事なのはわかるけど、それを回していくにはどうするの?」スポットのご相談での質問です。
物事が回転するためには動力が必要です。エンジンのようなものですが、自然の力を利用するなら、水車の水、風車の風、太陽光パネルの太陽のようなものです。
“稼ぐオフィス”にとっての動力は、ICT(一致して)(コンシャス・コミュニケーション・コラボレーションして)(定義・提案・提供する)というものです。
現代らしい営業方法として、「インサイドセールス」なるものもありますが、メール、SNS、などの非対面では、顧客との対話はできません。やはり、「働かせ方、意識、オフィス」を変革して、3大機能と対話から、「適した場で、提案し、マキコムこと」で回転します。
つまり、ICTとオフィス3大機能を掛け合わせることで、
・招待会に優良顧客をヨビコミ、
・利他的商談でヒキコミ
・付加価値を共創することでマキコム
という流れをつくることです。それも、社員皆で成し遂げることに意義があります。
そうすることで、共感や一体感が生まれて、次もまたやろうという意欲が起きるからです。
“稼がないオフィス”は、客先に行っている人だけの稼ぎでみんなが食べています。彼らはきれいなオフィスで一日なにをしているのでしょう?
顧客に提供する新たな企画を練るのは一部の社員です。その他社員たちは、「終わった仕事」つまり、お金を稼ぎ出さない書類整理等の処理で淡々と作業をしています。折角の機能は使いこなせません。
ISO14001のような環境を改善するための取組みも、ファイリングやごみの分別を徹底していること自体は褒めるべきことではあります。
が、ただのポーズをとるためだけだとしたら、浪費しているようにも見えます。
すべてが内向きなのです。稼がない業務のための縄張りに家賃を払っています。
もっと社外、つまり顧客を考えましょう!
“稼ぐオフィス”は、一致したみんなが仕事をして稼ぎ出しています。
3大機能を利用して、ICTを働かせます。顧客と面談する機会を意図的に増やして、こちらから課題を投げかけて、顧客との対話を通して商談づくりをサポートします。
創造の場でICT
一致して、コンシャス(顧客の先のエンドユーザーを意識)して、定義づけします。
提案の場でICT
一致して、社内でコミュニケーションして、顧客の提案を練り上げます。
商談の場でICT
一致して・顧客とのコラボレーションから、エンドユーザーの需要を喚起する商談を提供します。
これこそ「全社一丸」の取り組みと言えます。
移動通信システムの歴史は、モバイルサービスの革新によって、消費者の通信需要を高めることで、さらに通信インフラが革新されることで、消費者の通信需要に応えるカタチで発展してきました。
1Gの携帯電話は外出先でも電話ができるという利便性がありました。
そして消費者は、より高い通話品質を求め、デジタル方式の2Gが解決しました。
2GでiモードやEZwebといったプラットフォームがうまれました。
そして消費者は、プラットフォーム上のサービスの快適性を求め、3Gがそれを解決しました。
さらに消費者は、スマートフォンを使うようになり、「リッチコンテンツ」を求めるようになりました。それを4Gが解決しました。
このように発展してきましたが、5Gはというと・・・。消費者は今のところそれほど必要を感じていないようです。通信需要に対して、通信インフラの提供力が過剰になったのです。ですから、日本では「産学官」が試行錯誤しながら新たな通信需要をつくり出すよう努力しています。
同じように、これからの商売も、エンドユーザーの需要を喚起する「売れる企画」を繰り出していかなければ、いずれどこも似たり寄ったりの提案しかできなくなり、大勢の中に埋もれていくでしょう。だからオフィスでICTを発揮するのです。
自動運転社会も同じです。いくらこちらで「便利になりました」と叫んでも、消費者に「街に出たい」という需要がない限り利用されないのです。移動手段の向上も大切なのですが、それよりも「消費者が足を運びたくなる街づくり」の方が重要です。
そのためには仕掛けが必要になります。
たとえば、湾岸地域でイベントを催すとして、長時間列に並ぶという苦痛を、並んだ時間に応じて加算するポイントで、参加費用や別の買い物の特典になる。とか、
高齢になってからも、友人と街を散策したくなるように、特別車を予約すると、順番に乗せてくれて、街を周遊する間おしゃべりして、ドライブスルーのようなレストランで食事して、帰宅もそれぞれの自宅に送ってくれるように、「友とラクに楽しく」といった演出をするなら「また街に出たい」とリピーターになってくれるでしょう。
オフィスの考え方も同じです。どんなに華美に設えるよりも、顧客を喜ばせる行事をくりかえし、顧客と顧客のエンドユーザーを楽しませることが重要です。
顧客が提案に「楽しませ方」を盛り込めるように企画して、全社一丸で取組みをすることによって、顧客も顧客のエンドユーザーも幸せになります。
それを体験する社員たちが、自分の仕事に誇りを持てるようにすることこそ肝要なのです。自然の力と同様、社員個人のやる気が自然発生するのです。
結論は、これらを行う原動力こそICTであるということです。そうすれば、オフィス変革行事をくりかえすことが自然に回転するように仕掛けることが可能になります。
これらから、
・長時間労働させずに儲けを出せる
・自社でコントロールした「売れる企画」という提案力を発揮出来る
・動機、態度、目標が帰属意識を高める
といった、あなたの悩みの解消へ向けて是非取り組んで頂きたいとお勧めします。
今回まで4週にわたり、3大機能とICTについてお伝えしてきましたが、次回はいよいよ結びの話です。
あなたは、どうやって社員達に、これらの行動を浸透させられるでしょうか?
また、どうしたらあなたの“稼ぐオフィス”を回し続けられるでしょうか?
儲かるオフィスを継続させる、社長に求められる特質について書きたいと思います。
あなたは、終日活気にあふれ「侃々諤々」売れる企画をする社員のために踏み出しますか?
それとも、一日中静かなオフィスで終わった仕事の残務処理をする社員と過ごしますか?