“稼ぐオフィス”は
経営者が創り
“稼がないオフィス”は
他人が作る
皆様こんにちは!
“稼ぐ営業オフィス”構築コンサルタントのテラサキです。
今日からコラムを始めます。お店の暖簾のように、コンサルティングの「営業中」をお知らせするためです。
昨今のオフィス事情や未来戦略、働き方(働かせ方)、働く人々の行動や心理面など、およそ稼ぐオフィスづくりに欠かせない事柄をテラサキの視点でお届けします。是非お時間とってお読みください。
口コミで優良客を引き寄せる―【わたしのオフィスだ!】
というタイトルにしました。
これは私がどうしても経営者の皆様に訴えたいことです。経営者の方々に、渾身の “稼ぐオフィス” をつくって頂き、これぞ【わたしのオフィスだ!】と自慢して欲しいという熱い思いからです。
稼ぐオフィスづくりには、「経営者自らが意図して創造する事」がどうしても欠かせない重要事項です。
ただ、オフィスづくりをするということはかなり力仕事です。経営戦略に基づいたオフィス戦略を立てる。それから・・・
一般的なオフィスの改装・移転プロジェクトは、まず目的を持ちます。
目的には、拡大・縮小(増員、統合、経費削減)、働き方改革、生産性・コミュニケーション活性化、IT強化、セキュリティ向上、BCP対策等があります。
次に、移転先ビルの決定をします。経営判断をして、移転先ビル選定をして、決定(契約手続き)・退去予告(解約手続き)をします。
ここまでは大抵の経営者が関与しますが、この先は従業員に任せているところが大半です。
そして従業員にプロジェクトチームを発足させ、彼らがプロジェクト推進のための業者を集め、それぞれに説明します。
新オフィスをプランニングさせて、各業者からコンセプト作成、基本レイアウト作成、デザイン検討、設備検討、什器検討した資料を提出させます。
コンペティションを開催し、概算見積もり集計と見積もり合わせ、プラン変更、再見積提出、業者決定の運びになります。そして決定した業者との定例会議が始まります。
ここから具体的な、実行計画・入居工事について詳細の打ち合わせをし、実施レイアウト作成、デザイン、設備、購入備品決定・再見積もり合わせを経て決定・発注をします。
そして工事準備期間にも定例会議は続き、各種工事の実施・各種届出(電話会社やキャリア、役所等)その他移転計画や移転のお知らせを取引先へ発送します。そして工事が実施されます。
いよいよ移転です。入居ビルでは、新規什器搬入・既存ビルからの持ち込み荷物搬入があり、退去ビルでは、残什器、不要物廃棄処分・原状回復工事があります。
最終的に維持・運用・管理をまとめます。管理計画表の作成・什器備品リストの作成・ビル清掃等契約等。
やっと移転プロジェクトの完了です。
大掛かりな工程です。様々な決定プロセスがあります。金額だけではなく、働く人々にかかわる重大な決断も迫られるシーンです。かけるお金の費用対効果が出せるか、ただのきれいなオフィスで終わるのか。
この打ち合わせを従業員に任せるとどうなるか?
推して知るべしです。
誰しも給料以上の仕事はご免被るとばかり、要求されること以上には取り組まないものです。自分では荷を追うのを嫌い、早速、日頃出入りしている慣れ親しんだ、オフィス家具販売の営業マンや、「相見積書をとるように」指示されれば、ネットで調べた「まるっと取りまとめます」というオフィス環境づくりの業者と相談します。
彼らの「改装・移転プロジェクト」では、
「御社の社長のビジョンはなんですか?」
「この度はどうして改装(又は移転)を考えられたのですか?」
「どんなオフィスにしたいですか?」
「ご予算はいくらぐらいですか?」
「移転日はいつを計画されていますか」
「移転先のビルを調査したいのですが・・・」
このような会話からオフィスプランを作成します。
彼らとしても、まじめに考えてはいると思いますが、業者の方では、帰社すると、
「A社移転計画で1000万程度の商談です」
「受付周りの設計に、デジタルサイネージをねじ込めば2000万円の商談に膨らみます」
なんて報告が行われています。
そしてデザイナーが営業マンと相談しながら、部屋を区切る間仕切壁のグレードや、内装の仕上げ、家具等、なるべく顧客(見込み客)の懐事情を探りながら、落しどころを考えて、オフィス計画を作成します。
その計画をもって更にあなたの従業員と相談します。
「このコーナーへデジタルサイネージを設置すれば、会社訪問の若い方々に訴求出来ますよ」
「でもうちの社長は機械音痴だから、金額見てびっくりするだけだよ」
「では代替案として、その金額分、間仕切り壁や家具のグレードを落として、トータル金額が変わらないようにしましょうか?ご担当者が面倒であれば、社長向けの提案書はこちらで用意します。プレゼンも直接しましょうか?・・・」
その結果、特に必要としていなかったデジタルサイネージが受付横に設置されたりします。毎年新入社員を採用しているわけでもないのに・・・。
さらに、「現状の会議室は広すぎるので、スライディングウォールで2部屋に分割すれば、普段は小部屋が2つになってミーティングとして使えて便利です」なんて提案もしてきます。
200万円もかけてスライディングウォール工事をしても、他の従業員が使用する段階で「だれがこの壁の開け閉めをするの?」という素朴な疑問が総務部に寄せられます。
仕方がないので総務部で今までになかった仕事「会議室の使用予定表づくり、壁の開け閉めの係の分担表」の作成と実施が生まれます。明らかに無駄な仕事を増やしてしまいます。
こんなことが起きるのも、従業員と業者の、目的のはっきりしない打ち合わせが原因です。そんなことで良いオフィス、つまり稼ぐオフィスなど出来るはずもありません。
見た目はきれいで立派なものには仕上がるかもしれませんが、それだけです。不用なものが多すぎるのです。働く人々が本当に働きやすく、お客様を運んでくるような稼ぐオフィスには到底なりえません。
できるだけ無駄を省き、有用な機能にだけお金をかける判断は、経営者でないとできません。やはり経営者ご自身が、オフィスに何を仕掛け、どんな仕組みで回してゆくか、と「儲ける意図」を持って取り組まなければ決してできないのです。
ただでさえご多用の身で、オフィス構築まで熟考するとなると、時間が足りないと感じられることでしょう。しかしこのプロセスを重要視して、プロジェクト発足よりも前に戦略的に方針をまとめ上げ、事前準備をしておくことができれば、本当に求めていた良いオフィス、取引先が訪問したくなる―稼ぐオフィスが生み出せるのです。
そしてその時に、これぞ【わたしのオフィスだ!】と自慢して頂きたいのです!
そのような熱い思いを込めてコラムを発信していきます。次号からどうぞご期待ください。
あなたのオフィスは、誰が何と言おうと、
これが「わたしのオフィスだ!」と自慢できるものですか?