“稼ぐオフィス”には
社長の意図があり、
“稼がないオフィス”には
他人の思惑がある
第2回は<オフィスの在り方を再考する>です。
人々が働く場としてのオフィスですが、世の中には様々なカタチのオフィスがあり、使い勝手も様々です。
では、果たしてそのオフィスの機能は活かされているでしょうか?
最新設備なのになぜ儲からないのでしょうか?
そこで何を行っていけば収益につながるのでしょうか?
この辺りに焦点を当てます。
そもそもオフィスとは何でしょう?
人びとが働く為に集まる場所、事務処理の場所、社員とのコミュニケーションの場所、お客さんが訪ねてくる場所、情報を加工したり発信受信する場所などです。
世の中には様々な事業があり、仕事の種類も千差万別です。登記上、置かざる得をないところもあるし、まさにオフィスが仕事場のところもあります。「仕事をするのに必要な作業場」でしょう。
儲かりそうな事業があり、起業して、従業員を雇うとか、働く人が増えてくると、必ずオフィスを構えます。海外と日本では、発祥が違いますが、在り方についてはほぼ同様と考えて良いでしょう。
巷では、お金をかけて豪奢な作りのオフィス、新聞や経済誌にも紹介されていて注目の、見た目の良いオフィス、逆に古く汚くて、不潔なままのオフィスもあります。
綺麗、汚い両方ありますが、どちらにも共通点があります。
それは、特に目的や意図があるわけでもなく、ただ家具を配置してあるだけだったり、時代の変化に対応するためと言って、他社に勧められるままに、飾り付けた受付だったり、その企業の社長自身ではなく、オフィス環境改善会社の思惑を反映したに過ぎない、他社の意見を採り入れただけのオフィス作りをしているところです。
そこには経営者の意図など存在せず、目的がはっきりしないために、「ただの集まる場所」になっています。どれも、これがわたしの“稼ぐオフィス”だ!と胸を張って自慢できるものになっていないのです。
ではどうしたら、自慢できるオフィスができるのか?
ここらへんで一度オフィスの在り方を再考しみては如何でしょう。
あなたも創業時、オフィスに目的や意図をもって作られたはずです。いまも創業当時と同じ状況ですか?それとも時代と共に変更を加えていますか?
“稼ぐオフィス”には、時代と共に変化させることが肝要です。
例えば昭和の営業スタイルと言われるように、以前は飛び込み営業が新規顧客獲得の定番でした。ところが昨今、効率性や飛び込まれる相手への気遣いから、きちんとアポイントを取ってから訪問する、紹介してもらって面談するなど、出かけて行って商談を獲得することは困難であり、若手社員は飛び込み訪問自体が怖くて出来ないといった状況です。
では考え方を変えて、自社オフィスに来てもらうことはできないでしょうか。
そうです、今の時代は、「一緒に商談を創るパートナーとして、お客様に頼りにされ、自社に来てもらえるような、魅力的なオフィスの在り方」が求められているのです。
ですから、あなた自身が意図した通りに創り上げることです。計画して戦略を練り、社員に創らせるのです。
昔から城下町がそうであったように城主が意図して、役割りを明確にするのです。
かつて戦国の世で城下町をつくった時、城主は人々を巧みに指導しました。城を守るために人々の暮らしを盾に防御する形をとりましたが、町民には自由を与え、商売もうまくいくようにしました。彼らの自由な発想力で稼ぎ出し、武器弾薬を調達できた武将もいました。
同じことがオフィスづくりにも言えます。巧みな経営者は、“稼ぐオフィス”の仕組みを導入し、社員をやる気にさせて、彼らの発想力で稼ぎ出します。
この混沌とした時代に、なぜ大勢の経営者は儲けを生み出すオフィスをつくるのに躊躇し、一歩前に進み出ることをしないのでしょうか?
他社との差別化、競合とのコンペ、世知辛い顧客など、最近まで通用していた戦略が通用しない状況になっています。そうであるにもかかわらず変わろうとしないのはどうしてなのでしょう?
まだまだ過去の栄光にすがり、大丈夫だとでも思っているかのように感じます。やれ東京オリンピックだの、やれ築地移転だの、景気がいい、悪いと世情に流され日々淡々と事業をしています。
でも本当の原因は、外的要因ではなく、自社オフィスの取り組み方にあるかもしれないのです。
現在のよくある流行オフィスは、フリーアドレスという、場所を指定しない使い方や、在宅勤務、モバイルワークに適した設備を整え、カフェのように洒落た内装設備で、働く人々がさも快適にしているように見える仕様です。
でもそれは本当の意味で良いオフィスなのでしょうか?
全ての企業が、今はやりの最先端設備のオフィスを構えることで、問題解決するでしょうか。そんなに簡単ではありません。
フリーアドレスには、人々に「自分の居場所がない」という不安を与えるデメリットがあります。
在宅勤務、モバイルワークには、出先の拠点ともいうべきサテライトオフィスが必要になります。家庭にはすべてのオフィス機器があるわけではないので、こうした拠点がどうしても必要なのです。
カフェのような設えも、ダラダラと過ごすだけの空間になりやすく、メリットばかりではないのです。
オフィスには重要な機能があり、働く人々がその機能を十分に活かし、稼ぎ出す仕組みを導入すること。
それを最大限にすることには金をかけ、その他の機能にはお金をかけない工夫を採り入れる、といったメリハリが必要です。
現在、他社がどんな立派に見えるオフィスにしていても、そんなことは関係ないのです。未来は予想しても予測不能だし、過去が予測したできるオフィスは、現在きちんと機能していないのです。
もっと言うと、未来を担う自社オフィスの仕組みを、他社に考えてもらうなんて可笑しな話です。社長ご自身で、なぜオフィスが存在するのか、から問い直し、最重要機能にあてる設備の必要性を吟味します。
そこで何を行っていけば収益につながるのかが明確になれば、巧みな経営者は、如何にして“稼ぐオフィス”の仕組みを取り入れ、社員をやる気にさせて、彼らの発想力で稼ぎ出したら良いか、目的がはっきりします。
そうすることによって、なんとしても、あなた自身が意図した通りに創り上げることが重要なのです。
あなたは、オフィスの在り方を考え直されますか?
そして“稼ぐオフィス”づくりを意図されますか?