“稼ぐオフィス”は
城下町を模倣し
“稼がないオフィス”は
他社を真似る
今回はアーシャル研究所の特徴である、
オフィスを城下町式にする考えをお話しします。
・あなたの会社ではオフィスを城下町のようにできますか?
・なぜ城下町をオフィスづくりの手本とするのでしょうか?
・城下町の利点を模倣したオフィスとはどのようなものでしょうか?
城下町とは、都市形態の一つです。城を中心に成立した都市で、成立は戦国時代に遡ります。江戸時代以降は、必ずしも城が中心とは限らず、行政施設としての陣屋を中心としたものもあり、広義ではそれらも含めて城下町と呼ぶそうです。
現在の日本では、人口十万以上の都市の半分以上が城下町を起源としています。
かつて織田信長は、兵農分離を意図して、武士を城下に移住させ、市街には楽市楽座を設けて、商工業も発達させました。
その後、豊臣秀吉が大阪城下のように更に発展させて、天下の台所とまで呼ばれるようにさせたのです。
町はどんな場所においても、だれかの意図でつくられています。オフィスも社長が意図的に創るため、この城下町を参考にすべきだと考えます。
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経営者が戦略的にオフィスを考えるなら、この城下町を意図した信長、秀吉のように、意図的に創る必要があります。彼らは町をつくるために人々を強制的に連れてきました。
オフィスづくりもその点、(アンケート調査や全社会議で、社員の意見を採り入れて・・・)ではなく、経営者が意図的に、半ば強制的に創ることが肝要です。
城下町の機能としては、城の防衛施設としての機能と、行政都市・商業都市としての機能を合わせ持っています。
オフィスに置き換えるなら、自社の戦略と社風を強みに変換した、セールスオフィスの機能と、取引先を呼び込む機能を合わせ持つ城下町式オフィスです。
城下町は時と共に変化してきました。大火や戦災、その後の開発などで姿が変わり、往時を偲ぶことのできる城下町は減少しています。
しかし全域ではないにしろ、多くの城下町では区画の痕跡を残していて、町人地だった場所が現在でもその都市の中心街としての機能を保っていたりします。
時代と共に、人の考え方や働き方の変化に対応できる戦略や社風と、それらを活かせる機能を合わせ持つ必要に気付かされます。
変化に対応できるオフィスづくりは、他社の真似からは生み出せません。一時しのぎのオフィスづくりではだめです。
他社を真似ても良くならないのは、それが、取引先を呼び込む仕組みがある、セールスオフィスのカタチではないからです。
よその会社は見た目は良くても、「オフィスからお金を生み出す仕組み」は持っていません。
まるできれいなドレスを纏ったマネキンを飾っているショーウィンドーのような、「待ち」の宣伝効果しかないのです。
そうではなく、城下町のように、「迎え入れて攻める」宣伝効果を狙うのです。先人の成功例からの教訓を得るために、現在まで生き延びた城下町の仕組みや仕掛けは学ぶことが多い教材です。
例えば、城下町の立地は、水源に面した場所に多く見られます。基本的に防衛機能ですから、この点オフィスでは逆に捉えます。外部の人が近づきやすいようにすることです。駅前や駅近の立地で、取引先が気軽に立ち寄れる場所を選定します。そして、そこで全社一丸となって顧客を迎え撃つ「迎え入れて攻める」宣伝効果を狙うのです。
城下町の道の仕組みとしては、付近を通る幹線道路のコースを、城下に通じるように付け替えることにより往来が城下を通り、商工業を活性化させる効果を狙っています。
この点はオフィス内に呼び込む導線を考えるときに使えます。
一例として、受付周辺で顧客を出迎えて、概要説明を行って、社内の執務スペースを横切るように通らせれば、社員の働きぶりや顔ぶれをアピール出来ます。
商談コーナーへ案内し、そこで専門社員との商談をします。そして、次なる「お土産」の用意をして、ビルの出口まで見送ります。
城下町の道の仕組みを模倣して、商談を活性化させる効果を狙います。
城下町の都市防衛の仕掛けは随所に見られます。敵の侵攻を妨ぐために、地形を巧みに利用するとともに、川、堀、土塁や石垣を築き、要所には「桝形」という城門を設けることもありました。
城下町に入ると大通りの周辺に家屋を雑多に配置させることで城を見えにくくして、道をくの字に曲げたりすることで、城への侵入を難しくしました。
また、柵や木戸を設けるなど、不審者の侵入にも注意深くありました。町の割り付けは城を中心に、侍町、足軽町、町人、寺町などがありました。
さらに、寺町は、城下町の外郭に配されて広い寺院が建ち並び、都市防衛強化の一翼を担いました。
また物流に、堀や川を利用して、効率化の工夫もしていました。
これと同じように、顧客や取引先が訪問しやすい立地を選び、オフィス内のレイアウトを決め、数々の仕掛けを用意します。
そして案内コースを準備して、お客様が横切る通路近くの人員やデスク配置、通路に仕掛ける掲示物、目につきやすく、手に取りたくなるような、効果的に商談するための仕掛けをちりばめます。
また、社員たちが日常業務も効率的に行えるように、什器備品の使用に工夫を凝らします。
その他、オフィス内に外部の方を入れるのは、自社を知って頂くのに大切な要素ではありますが、中にはセキュリティ上オープンにはできないものもあります。
そこに到達できないような導線を考えると、一見オープンではあるけれど、実はクローズしている仕掛けも考えられるのです。
このように、城下町を模倣して、仕組みや仕掛けを準備して、オフィスに仕込む考え方は、他社の真似からは生まれません。
そして、決して他社には真似できない、自社オリジナルの“稼ぐオフィス”づくりに有効です。
あなたの会社では、オフィスを城下町のようにできますか?
自社独自の、城下町式オフィスの仕組みはありますか?