“稼ぐオフィス”は、
「優良取引先囲い込み戦略」を利他的VIP待遇で実行する、
“稼がないオフィス”は、
両天秤にかけて優柔不断になる
今回は、第11回から第15回を振り返ります。
「優良取引先囲い込み戦略」を実行するには、利他的VIP待遇で自社に目を向けさせることが肝要です。そのためにどのように考え、オフィスに組み込むかを考慮しました。
“稼がないオフィス”は、「新規も大事、既存も大事、あの業務も、この業務も・・・」と風呂敷を拡げてしまい、せっかくのサービスやホスピタリティといったものも、中途半端になっています。
“稼ぐオフィス”戦略2の要諦は、「絞り込み・単純化して・優先順位を決める」ことです。そして、優先順位上位にありったけの力を注ぐことです。
第11回は、「“稼ぐオフィス”は社員と取引先を大事に思いやる」というものでした。
新規開拓も大事なことですが、現在取引して下さっている顧客に目を向けることがもっと大切ではないかと考えます。顧客が目減りするのは当然で、仕方のないことではなく、絆を深め、繋ぎとめる努力を怠っているからではないでしょうか。
そういう顧客にこそ焦点を当てた提案を、全社一丸となってすることの重要性を説きました。
「新規開拓に時間や労力を割くよりも、優良顧客に注力し、水やりが大切である」ということです。
そうするためには、社員達を会社から放り出すのではなく、「社内で戦術を練る時間を与え、戦闘できるように準備することに労力を用いさせる。」ようにすることです。
社員や取引先を大事に思いやる経営者は、「既存顧客が買い続ける仕組み」を導入することを検討することでしょう。そして、互いに利益を向上させて、絆を深めることに腐心します。
そのようにすれば、難しく困難な新規開拓をガムシャラにさせなくても、売上の向上は可能になるでしょう。
第12回、「“稼ぐオフィス”には、均一化されたサービスと儲かる仕組みがある」では、
サービスとホスピタリティについて考察しました。クライアント企業はいつも変わらぬサービスを求めます。
本物のサービスとは、「相手(顧客)のために、どのような気配りをし、何をするのかを事前に決め、いつでも、誰が応対しても、毎度変わる事のないものを提供すること」です。
また、ホスピタリティとは、購買行為をストーリーに見立て、「日頃のサービスに、ひとつ上の心遣いを追加して、ストーリーの最後に“良かった”と顧客が思える結末を演出すること」なのです。
そうすることによって、途中間違いや手違いがあったとしても、終わり良ければすべて良し、ハッピーエンドで、この気分をまた味わいたいと感動するのです。
顧客目線で考える経営者は、このような本物のサービスやホスピタリティに注目します。そして、「仕組み化」させるために、素早く行動に移されます。
そしてこれをオフィスに当てはめて、“稼ぐオフィス”に変化させるのです。
第13回は、「“稼ぐオフィス”には明確な方針書で場をつくる経営者がいる」でした。
オフィスづくりを提案する側も、クライアント企業が目指すべき指針、方針の上辺しか目にとめず、本質的な目的まで突っ込んで吟味していない為に、きれいではありますが、稼ぎ出すような仕様にはなっていないのが現状です。
経営者の考えを幹部に伝える。幹部がリーダー格の社員たちに伝える。リーダー格の社員たちがその他社員に伝える。この過程のどこかで、外部の者に提案を求めるために社員のだれかが伝える。
子供の頃に伝言ゲームをしましたが、この人伝の曖昧さ、勝手な解釈と思い込みといった事柄は、本当に歯がゆく、じれったいものでした。これを克服しない限り、円滑なコミュニケーションは、いつまで経っても成り立ちません。
“稼ぐオフィス”づくりにはまず、経営者ご自身が意図を明確にすることです。 次に、経営者の意図を、幹部以下全員が理解し、共有できるようにすること、つまり指針として明文化した、「方針書」にまとめることです。
そして、コミュニケーション力を育む場を、意図的に設ける必要があるのです。そこまで準備できれば、オフィス環境関連業者の勧めるモノを選択して、ふさわしい場に配置する事ができるでしょう。
そして、価値あるコミュニケーション力を発揮して、“稼ぐオフィス”を創りましょう!
第14回は、「“稼ぐオフィス”は全ての人材に業務を分散させる」を考えました。
この点で大切なこととは、仕事の中身をもう一度吟味して、再構築することです。簡単に言うと、「省く・捨てる・入れない」ことだと言えるでしょう。
社員たちの優秀な頭脳と、それを引き出し、まとめる役が噛み合えば、質の良い仕事を生み出すことができます。働く時間を短く、人員や労力を増やさずに、事業継続できるはずです。
マルチタスクからシングルタスクへ移行することで、一握りの人材に業務を集中させるのではなく、全ての人材に業務を分散させて皆で行うのです。そうすれば、マルチタスクを行ったのと同様の結果を得られ、強いてはそれが迅速さにつながると私は考えます。
そのような、「仕組み化されたオフィスで働く社員たちが、自分の頭で考え出したこと」を「皆でカタチにする場」こそが、オフィス機能で重要なものです。
それぞれの脳で考えたことから、ぶつけ合い、発展させ、カタチにするのに最適な場を設けることが、“稼ぐオフィス”には必要なのです。
第15回は、「“稼ぐオフィス”には、優先客のためだけの場所がある」でした。
顧客は平等に扱う必要がありますが、真に公平の観点で考えると、優良と不良は分けるべきだと考えます。優良な顧客を優先し、不良客は劣後させ、あるいは切るべきことを厭わないことが重要です。不良客と言うと語弊があるので、株のように劣後客という表現にしました。
招待リスト作りや、商談化をするオフィスづくりについて、仕組みによって回す必要があることを論じました。ただ闇雲にリストだけ作って招待しても、「商談化をするオフィスの仕掛け」をしなければ、うまく作用しない点。またこれらを順序通りに行うことによって、“稼ぐ営業オフィス”にすることができるということも述べました。
この「優先客・劣後客を分ける」という考え方や、優先客だけの利益増大を第一に考えることに照準を合わせたサービスによって、“稼ぐ営業オフィス”の「商談化をするオフィスの仕掛け」がまわるのです。
劣後客のことはひとまず置いておきます。利益を上げた優先客は、必ずやあなたの会社のファンになることでしょう。優先客がさらに優良になれば、新規の優良顧客が集まることにもなり、好循環をもたらします。そして、顧客の明るい将来性と、取引継続により、将来の利益を見通す項目がリストに追加されるのです。
あなたは戦略2を採用し、「絞り込み・単純化して・優先順位を決める」ことをしていますか?そして、優先順位上位にありったけの力を注いでいますか?